窓・ガラスの断熱性能強化でコストを抑えてUA値の高い住宅がつくれます。

2018年6月11日

● 窓・ガラスの断熱性能強化でコストを抑えてUA値の高い住宅がつくれます。

こんにちは、進藤裕介(しんどうゆうすけ)です。

リノベーションの補助金制度ですが、環境共創イニシアチブでは高性能建材の導入を促進するためにガラス、窓、断熱材が細かく分類され、それぞれにポイントを付けて補助金を出しています。(平成27年度以降はメーカーの商品に対してのポイント制に移ってます。)

既存住宅の断熱性能を上げていく為には、ガラスと窓が断熱材と同等レベルで大切な建材だという認識のあらわれです。

断熱性能からみる 窓・ガラスの種類

複層ガラスの空気層については乾燥空気、アルゴンガス、クリプトンガス、真空の4つの分類があります。

ガラスの仕様については、ダブルLow-E三層以上(G7以上×2)、Low-E三層複層(G6以上×2)、Low-E三層複層(A9以上×2)、Low-E複層(G12以上)、Low-E複層(G8以上G12未満)、Low-E複層(A10以上)、Low-E複層(G16以上)、Low-E複層(G8以上G16未満)、単板+Low-E複層(A12以上)、単板+Low-E複層(A6以上A12未満)、単板+複層(A12以上)と詳細な分類があります。

窓の仕様としては樹脂製、木製、金属のプラスチックの混合、金属とプラスチックの二重構造、その他の5分類です。

窓の開閉方式は引違い窓、開き窓、たてすべり窓、よこすべり出し窓、上げ下げ窓、FIX窓、テラス窓の分類になっています。

窓やガラスの仕様によって断熱性能に差があることはすでに認知されています。

窓の開閉方式によっても断熱性能に差が出てくるのです。

高性能建材ほど高いポイントが加算され補助金が出されると言う事は、建築や住宅の高断熱化の促進には、窓やガラスの高性能建材を使うことが手っ取り早いということでもあります。

窓の開閉方式別、断熱性能 熱貫流率U値

窓の開閉方式別の断熱性能についてはあまり公表されていなかったのですが、経済産業省のサイト サッシの熱損失防止性能及びその測定方法等について(案) のなかで窓(素材ごと、開閉タイプ別)の断熱性能が掲載されています。

素材の違いでは断熱性能の低い順に、アルミサッシ < アルミ樹脂複合サッシ < 樹脂サッシとなっています。

窓、サッシは開閉方式別に断熱性能を示す 熱貫流率U値が変わってきます。

アルミサッシの熱貫流率U値(w/㎡k)

引違い3.89 FIX3.64 上げ下げ3.88 縦滑り出し3.82 横滑り出し3.73

アルミ樹脂複合サッシの熱貫流率U値(w/㎡k)

引違い3.58 FIX3.06 上げ下げ3.46 縦滑り出し3.30 横滑り出し3.32

樹脂サッシの熱貫流率U値(w/㎡k)

引違い2.83 FIX2.69 上げ下げ2.82 縦滑り出し2.65 横滑り出し2.63

この結果から、引違い<上げ下げ<縦滑り出し<横滑り出し<FIXという順で断熱性能が高くなります。

開閉方式の並びでいくと、FIX窓は当然ですが最も性能値が高く、引違い窓は滑り出し窓よりも断熱性能が劣る窓ということになります。

現状は、流通量が多くて、安価な引違い窓が多用されています。

ですが今後、高断熱住宅化の流れで滑り出し窓はおのずと増えていくでしょうし、それによって引違い窓と滑り出し窓の価格差も小さくなります。

引違い窓と横滑り出し窓のU値の差

アルミサッシでは引違い窓で3.89、横滑り出し窓で3.73

樹脂サッシでは引違い窓で2.82、横滑り出し窓で2.63

その差はアルミサッシよりも、断熱性能が高い樹脂サッシでの方が開いていることも判ります。

ちなみにサッシメーカーが広告などで表示しているU値も、滑り出し窓の数値である事が多いです。

窓の断熱性能トップ3

2018年6月現在の各社性能値より

LIXIL レガリス 0.55w/㎡k

YKK APW430+クリプトンガス 0.78w/㎡k

シャノンウィンドウUF 0.73w/㎡k

LIXILのレガリスに至っては、Low-Eガラスの5層ガラスという別次元の製品で、0.55w/㎡kという数値は木造住宅の外壁の断熱性能に匹敵する数値です。

コストを抑えて断熱性能を上げる3つのポイント

外壁の面積を小さくして熱損失を減らす

外壁の面積が大きくなるほで熱の損失は大きくなります。

同じ住宅内の体積、室内のボリュウムで比較すると、平面的には凸凹のある形状より正方形に近い方が外壁の面積が小さくなります。

階高や天井高さを抑えた方が外壁の面積は減ります。

2階建ての一戸建てなら総二階で立方体に近い形状にすることで外壁の面積を減らせます。

熱損失の小さな住宅になります。

断熱材の性能や厚みを増やすより先に、窓の断熱性能を上げる

冬の寒い外気が室内に入ってくる場合、窓やドアからの流入が52%、夏の暑い空気が室内に入ってくる場合、74%という割合となっています。

延べ面積40坪の一般的な木造2階建の住宅でいうと、窓の面積と外壁の面積との割合は1:11~13程度にもかかわらずです。

木造住宅の外壁の熱貫流率U値は約0.5w/㎡kです。

それに対し窓の熱貫流率U値は、樹脂サッシLow-Eペアガラスであっても1.7w/㎡kになります。

窓の断熱性能は、壁と比べると極端に弱いのです。

延べ面積40坪の木造住宅の場合、320㎡の外壁の断熱性能よりも、25㎡の窓のU値を強化する方がコストを抑えることができます。

アルミ樹脂複合タイプのサッシを樹脂サッシにグレードアップしたところで、30万円もコストアップになりません。

それに対し、外壁の断熱材(高性能グラスウール16K)320㎡分を厚み100⇒200にしようとすると50万では収まりません。

引違い窓を多用するより滑り出し窓を使う

ページ内の窓の開閉タイプ別 断熱性能でも書いていますが、引違い窓よりも滑り出し窓の方が断熱性能は上がります。

窓の大きさも抑えることで、コストを抑えて断熱性能を上げることができます。

まとめ

住まいの断熱性能の強化というと、とかく断熱材の性能や厚みに目が行きがちですが、ガラスや窓に目を向けて、その仕様や開閉形状を選択して、断熱材よりも先に強化すれば、建築費を抑えた家づくりができます。

外壁面積を抑えて、引違い窓を多用しない、窓の大きさを抑えることで高性能な断熱住宅ができます。

 


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